連載記事
北九州 あの日あの頃

エピソード21
タイトル 八幡がすこぶる元気だった頃
投稿者 千草ホテル 代表取締役会長小嶋 一碩さん(81歳)
写真は昭和の初め頃、千草ホテルの前身である料亭千草での宴会風景です。随所に置かれた手あぶり火鉢が、暖房が十分でなかった当時を忍ばせます。八幡製鐵所が隆盛を誇っていた時代、現中央町にあった料亭千草では豪勢な宴会が連夜催されていました。百畳敷きの大広間で、賓客をもてなすため様々な企画が用意されました。梅雨時のある宴会のテーマは〝田植え〟。広間いっぱいに敷き詰められた何百丁もの豆腐に、裾をからげた芸妓や仲居が、苗に見立てた割り箸を一本一本差し込み、それらを三味や太鼓で囃し立てるという趣向、座は大いに盛り上がったといいます。ところが、ぐちゃぐちゃになった豆腐で畳は水浸し、翌日もまた大きな宴会が控えています。私の祖父・勝太郎は、八幡じゅうの畳職人を呼び集め一晩で百畳の畳替えを行ったとのこと、嘘のような本当の話だと父・守から聞かされました。その費用はすべて製鐵所持ちだったとか、なんともいい時代だったんですねえ。
今、八幡東区の東田に、官営八幡製鐵所創業の1901年の看板を掲げた東田第一高炉の最後の姿が、モニュメントとして天高くそびえています。その雄姿は、戦前戦後を通して日本の近代化を支えた鉄の町八幡の歴史を誇り高く後世に伝えつつ、〝元気出せ八幡!〟と叫んでいるようにも思えてなりません。
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